<水素の知識>
2007/10/27 日記<水素>
水素
-
colspan="2" style="background: #a0ffa0" | 一般特性
-
元素の一覧 (名前順)|名称, 元素の一覧 (記号順)|記号, 元素の一覧 (番号順)|番号 || 水素, H, 1
-
元素の分類|分類 || 非金属元素
-
元素の族|族, 元素の周期|周期, 元素のブロック|ブロック || 第1族元素|1 (IA), 第1周期元素|1, sブロック元素|s -
密度, モース硬度|硬度 || 0.08989 kg?m−3, 不明
-
単体の色 || style="text-align: center" | 無色
-
colspan="2" style="background: #a0ffa0" | 原子特性
-
質量 || 1.6736 x 10-24 g
-
原子量 || 1.00794 原子質量単位|amu
-
原子半径 (計測値) || 25 (53) ピコメートル|pm
-
共有結合半径 || 37 pm
-
ファンデルワールス半径|VDW半径 || 120 pm
-
電子配置 || 1s軌道|s1
-
電子殻 || 1
-
酸化数(酸化物) || ±1(酸化物|両性酸化物)
-
結晶構造 || 六方晶系
-
colspan="2" style="background-color: #a0ffa0" | 物理特性
-
相 || 気体
-
融点 || 14.025 ケルビン|K
(−259.125 セルシウス度|°C、-434.45 華氏|°F)
-
沸点 || 20.268 K
(−252.882 °C、-423.17 °F)
-
モル体積 || 11.42 × 10−3 m3?mol−1
-
気化熱 || 0.44936 kJ?mol−1
-
融解熱 || 0.05868 kJ?mol−1
-
蒸気圧 || 209 パスカル|Pa (23 K)
-
音速|音の伝わる速さ || 1270 メートル毎秒|m?s−1 (293.15 K)
-
colspan="2" style="background: #a0ffa0" | その他
-
クラーク数 || 0.87パーセント|%
-
電気陰性度 || 2.2 (ライナス・ポーリング|ポーリング)
-
比熱容量 || 1.4304 × 104 J?kg−1?K−1
-
導電率 || ? /m?オーム|Ω
-
熱伝導率 || 0.1815 W?m−1?K−1
-
イオン化エネルギー || 1312 kJ?mol−1
-
colspan="2" style="background: #a0ffa0" | (比較的)安定同位体
-
colspan="2" |
colspan="2" style="background: #a0ffa0; font-size: 85%" | 注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。
}水素(すいそ、hydrogen)は、原子番号 1 の元素。元素記号は H。非金属元素のひとつ。元素の中で最も軽く、また宇宙で最も数が多い。地球上では水や有機化合物の構成要素として存在する。一般に「水素」という場合は、水素の単体である水素分子(水素ガス) H2 を示すことも多い。水素分子は常温では無色無臭の気体で、軽く、非常に燃えやすいといった特徴を持つ。地球上では水素分子の形態でほとんど存在せず、天然ガスの中にわずかに含まれる程度である。水素分子を小規模に生成する場合、亜鉛やアルミニウムなどの金属に希塩酸を加えて発生させる方法が一般的である。
歴史
水素の英語名 hydrogen は、はじめフランス語で hydrog?ne と命名され、「水を生ずるもの」を意味する。これはギリシア語の hyd?r, ?δωρ (水)と gennen (発生)の合成語である。水素を水素として発見したのは1766年、ヘンリー・キャヴェンディッシュであり、アントワーヌ・ラヴォアジエが1783年に命名した。2006年に周期表における水素の位置を変更すべきなのではないかとする論文が国際純正応用化学連合|国際純正応用化学連合(IUPAC)に提出され、公式雑誌に掲載された。玉尾皓平、桜井弘、福山秀敏『完全図解周期表―自然界のしくみを理解する第1歩 ニュートンムック―サイエンステキストシリーズ』 ニュートンプレス 2006年12月 ISBN 978-4315517897
生産
工業的に水酸化ナトリウム水溶液の電気分解で得られる。赤いボンベに保管するように決められている(高圧ガス保安法容器保安規則)。
特徴
を、黒い丸は中性子を、そして青い丸は電子を表している。
水素には、水素(軽水素)1H 、重水素 2H (略号D) 、三重水素 3H (略号T)の3つの同位体が知られている。このうち、最も軽い 1H は、1つの陽子と1つの電子のみによって構成されており、原子の中で唯一中性子を持たない。2007年現在、同位体は七重水素まで確認されている。七重水素(原子核は陽子1、中性子6よりなる)は重陽子を光速の3割まで加速してヘリウム8に衝突させて得られている。寿命は極めて短く、10ゼプト秒ほどしかない。水素の同位体は、それぞれの特徴を活かしてユニークな使い方をされる。重水素は原子核反応での用途で、中性子の減速に使用され、化学や生物学では同位体効果の研究に使用されている。また、三重水素は原子炉内で生成され、水素爆弾の製造や、バイオテクノロジーでの細胞の発光塗料として使用されている。水素原子は宇宙が誕生してから約38万年後に初めて出来たとされている。それまでは陽子と電子がバラバラのプラズマ状態で光は宇宙空間を直進できなかったが、電子と陽子が結合することにより宇宙空間を散乱されずに進めるようになった。これを宇宙の晴れ上がりと言う。水素は宇宙で最も豊富にある元素である。質量では宇宙全体の 55% を占め、総量数では全原子の 90% 以上を占めていると言われる。これらのほとんどは星間ガスや銀河間ガス、恒星あるいは木星型惑星の構成物として存在している。宇宙に於ける主系列星の活動のほとんどはプラズマとなった水素の核融合反応によるもので、陽子-陽子連鎖反応とCNOサイクルという過程を経て多くの元素を発生させている。水素原子はこの2つの核融合反応を起こす担い手であり、宇宙全体の活動に深く関わりがある。
水素の金属化
水素は非常に高い圧力下において金属化すると考えられている。しかしながら、2006年現在、数百 パスカル|GPa (100 GPa = 100万気圧)のオーダーで圧力を加える実験が行われているが、固体の金属水素の観測はされていない。一方、1996年にLawrence Livermore National Laboratory のグループが、140GPa、数千°Cという状態で100万分の1秒以下という寿命であるが、液体の金属水素を観測したと報告しているWeir, S. T.; Mitchell, A. C.; Nellis, W. J. (1996). "Metallization of Fluid Molecular Hydrogen at 140 GPa (1.4 Mbar)". ''Phys. Rev. Lett.'' 76: 1860?1863. W・J・ネリス 「金属水素を作る」(日系サイエンスのページ)[http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0008/hydrogen.html#writer]。水素は最も軽い元素なので金属化するような状況では、室温超伝導になっているのではないかという予想もあるが、金属化そのものが達成されていないために、その真偽は未だ不明である。この可能性の傍証として周期表で水素のすぐ下のリチウムは、30 GPa 以上という超高圧下で、超伝導を示すことが分かっている。超伝導への転移温度は圧力 48 GPa で 20 K 程度であるが、この数字は単体元素のものとしては高い方であり、いくつかの例外を除けば一般に軽いほど転移温度は高くなるため、リチウムより軽い水素は、より高い温度で転移する可能性が十分あり得る。木星深部は非常に高い圧力になっており、液体金属水素が観測された条件と似ている。木星を構成する最も主要な元素の一つである水素は、この状況下では金属化している可能性があり、木星の磁場との関わりも指摘されている。
水素分子
水素分子は、常温常圧では無色無臭の気体として存在する、分子式 H2 で表される単体である。融点 −259.2 °C、沸点 −252.6 °C、密度 0.0899g/l、比重 0.0695(空気を1として)。最も軽い気体である。原子間距離は 0.074 nm、結合エネルギーはおよそ 104 kcal/mol。水素分子は常温で安定であるが、反応性は高く、様々な物質と化学反応を起こす。特にフッ素とは低温でも非常に激しく反応し、また水素と酸素を体積比 2:1 で混合したものに火を付けると激しく爆発する(水素爆鳴気)。木星型惑星|ガス惑星の内部など非常に高い圧力下では性質が変わり、液状の金属になると考えられている。逆に宇宙空間など非常に圧力が低い場合、単独の水素原子で存在していることもある。H2 分子形状の雲は星の形成などに関係あると考えられている。
オルト水素とパラ水素
水素分子は、それぞれの原子核(プロトン)の核スピンの配向により、オルト(オルソ、ortho)とパラ (para) の2種類の異性体が存在する。統計的な重みが大きいほうをオルソと呼ぶ。オルト水素は、互いの原子核のスピンの向きが平行で、パラ水素ではスピンの向きが反平行である。オルト水素とパラ水素は、化学的性質に違いがないが、物理的性質(比熱や熱伝導率など)が若干異なる。常温以上では、オルト水素とパラ水素の存在比はおよそ 3:1 である。低温になるほどパラ水素の存在比が増し、絶対零度付近ではほぼ 100% パラ水素となる。
利用法
水素分子は、宇宙では大量に存在しているにもかかわらず、地球の大気中には 1 ppm 以下とほとんど存在していない。現在のところ、水素ガスはメタンを主成分とする天然ガスと水から、触媒を用いた水蒸気改質によって生産する方法が主流である。ただしこの方法では化石燃料を消費し、また二酸化炭素の発生が不可避であるため、将来的には光触媒などを用いた水の分解や、パラジウムなどの分離膜によって生産することが期待されている。また、水素分子は極めて小さいため、原子あるいは分子の状態で金属の格子内にも容易に侵入する。このため、鉄などを水素に長期間触れさせておくと、水素脆化と呼ばれる現象が起こり材料の強度が劣化する。一方、パラジウムや白金、ニッケル、あるいは水素吸蔵合金と呼ばれるチタン、ジルコニウムなどの合金類は安定に多量の水素を吸蔵する性質があり、可燃性で扱いにくい水素を保存する方法として期待されている。代表的な用途としては、次のようなものがあげられる。
発電所では、水素ガスを冷却媒体として用いている発電機もある。これは空気に比べて風損が少ないためである。
水素ガスが漏れないようにする為、水素ガス圧力よりも高い圧力の油を流し遮蔽する。
日本国 経済産業省・化学工業統計月報。
水素化合物
水素は電気陰性度が 2.2 であり、酸化剤としても還元剤としても働く。このため非金属元素とも金属元素とも親和しやすい。例えば、水素と酸素が化合するときには還元剤として働き爆発的な燃焼と共に水 H2O を生じる。ナトリウムと水素との反応では酸化剤として働き、水素化ナトリウムNaHを生じる。水素化物には、イオン結合型・共有結合型の他に、パラジウム水素化物などの侵入型固溶体(侵入型化合物)と呼ばれる形態がある。イオン結合型の化合物のなかでは水素は H− イオンとして存在するが、侵入型固溶体は一種の合金であり、水素原子は金属原子の隙間にはまり込むように存在している。このため、容易かつ可逆的に水素を吸収・放出することが出来、水素吸蔵合金に利用される。なお、高性能な水素吸蔵合金中の水素原子の密度は、液体水素のそれに匹敵する。一方、より電気陰性度の大きい元素との化合物では水素は H+ イオンとなる。水中で水素イオンを生じる物質が狭義の酸である。水溶液中では水素イオンは H3O+(オキソニウムイオン) として振舞う。水素はまた、炭素と結合することで、様々な有機化合物を形成する。ほとんど全ての有機化合物は構成原子に水素を含む(下に例を示した)。
(出典:http://www.acdlabs.com/iupac/nomenclature/
IUPAC Nomenclature of Organic Chemistry / Recommendations 1979 and Recommendations 1993 by ACD Lab. Inc.)
水素イオン
水素のイオンには、陽イオンのヒドロン(hydron; ハイドロン)と、陰イオンのヒドリド(hydride; ハイドライド)とが存在する。1H+ はプロトンそのものであるが、元素としての水素は同位体混合物なので、水素の陽イオンに対する呼称としてはヒドロンが正確である(すなわちヒドロンは H+, D+ などの総称である)。しかし、化学の領域において単に「プロトン」と呼ぶ際は水素イオンを指し示していると考えて差し支えはない。
ヒドロン・プロトンあるいはヒドロニウムイオン
H+ であれ D+ であれ、ヒドロンは電子殻を持たないむき出しの原子核である為、化学的にはファンデルワールス半径を持たない正の点電荷の様に振る舞う。それ故通常は単独で存在せず、溶媒など他の分子の電子殻と結合したヒドロニウムイオン (hydronium ion) として存在する。極性溶媒中では、水、アルコール、エーテルなどの酸素原子の電子殻と結合している場合が多いので、ヒドロニウムイオンというべき代わりにオキソニウムイオン (oxonium ion) と呼ばれることも多い。あるいは超強酸など極限状態においては単独で挙動するプロトンも観測されている。また、アレニウスの定義ではヒドロンは酸の本体である。酸としてのプロトンの性質は記事 オキソニウムイオン あるいは記事 酸と塩基 に詳しい。
ヒドリド
アルカリ金属、アルカリ土類金属あるいは13族・14族元素で金属性を示す元素の水素化物が電離する場合は、ヒドリド (hydride, H−) としてイオン化する。ヒドリドはK殻が閉殻した電子配置を持つために、一定の大きさを持ったイオンとして振舞う点でヒドロン(プロトン)とは異なる。実際、ヒドリドはフッ素アニオンよりもサイズが大きいように振舞う。ヒドリドは塩基として作用する場合と還元剤として作用する場合があるが、それは金属と還元をうける化合物との組み合わせにより変化する。
参考文献
関連項目
外部リンク
comment(" >0) trackback(" >9)
|
◆水素についてピックアップ 水素分子は、それぞれの原子核(プロトン)の核スピンの配向により、オルト(オルソ、ortho)とパラ (para) の2種類の異性体が存在する。統計的な重みが大きいほうをオルソと呼ぶ。オルト水素は、互いの原子核のスピンの向きが平行で、パラ水素ではスピンの向きが反平行である。オルト水素とパラ水素は、化学的性質に違いがないが、物理的性質(比熱や熱伝導率など)が若干... |




