<合成樹脂の知識>
2007/09/17 日記<合成樹脂>
合成樹脂
合成樹脂(ごうせいじゅし、プラスチック: plastic)とは、高分子化合物からなる物質の中で、成型品や薄膜にして使用することを目的として人為的に製造された物を指す。合成でない天然樹脂には植物から採ったロジンや天然ゴム等があり、鉱物質ではアスファルトが代表例。合成樹脂(高分子化合物)の糸を織って作った繊維は合成繊維と呼ばれる。
概説
主に石油を原料として製造される。金型などによる成形が簡単なため、大量生産される各種日用品や医療分野、工業分野の製品などの原材料となる。使用する目的・用途に合わせた性能を有する樹脂を合成することが可能であり、現代社会で幅広く用いられている。一般的な特徴としては
これは廃棄後の処理がしにくいということでもあり、環境問題を引き起こす原因の一つでもある
等が挙げられる。しかし現在では、使用目的に応じてこれらの性質に当てはまらないプラスチックも開発されている。
などが製品化されている。
合成樹脂の化学
高分子
合成樹脂は化学的には炭素原子、または炭素原子と酸素原子が長くつながった分子を基本とする(例外もある)。炭素には4本の結合手があり、2本は炭素同士の結合に使用されるが、残りの2本には水素や塩素や多種の反応基が結合する。この長くつながった大きな分子という特徴から高分子とも呼ばれている。例えば炭素を順番に繋げてゆくと(余った手には水素のみ結合している)下記のように 気体→液体→柔らかい固体→硬い固体と変化する。
エチレンはエタン (C2H6) から水素が2個減って炭素同士が二重結合した物質 (C2H4)。ポリエチレンは、炭素2個のエチレンを基本物質(モノマーと呼ぶ)とし、これを多数繋いだ高分子(ポリマー)である。接頭語のモノはひとつ、ポリはたくさんを意味する。モノマーを繋げてゆく反応を重合と呼び、モノマーが繋がっている個数を重合度と呼ぶ。炭素1,000個が繋がったポリエチレンの重合度は、1000 ÷ 2 = 500 である。重合度(=分子量)が大きくなるにつれ、より硬くより強い樹脂になる。ポリエチレンは熱をかけると溶けて流動するので、その状態で成型する。流動し始める温度(融点)は分子量が大きくなるほど高くなる。分子量が一定以上に大きくなると、熱をかけても流動せず、それ以上に温度を上げると分解するようになる。
共重合とポリマーアロイ
用途によって、2種類以上のモノマーを使用して合成樹脂を作ることがある。これを共重合と呼ぶ。例えば自動車の内装に多用されているABS樹脂は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂の略称で高い強度と耐衝撃性を有する。硬いが衝撃に弱く割れやすいアクリロニトリル樹脂とスチレン樹脂の性能と、柔らかいが衝撃に強いブタジエン樹脂の性能を組み合わせ、強度と耐衝撃性を両立させている。共重合はモノマーの配列の仕方によって、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合に分類される。ランダム共重合はモノマーがランダムに結合した物。ブロック共重合は単一モノマーでできたある程度の長さのポリマー同士が縦に繋がっているもの。グラフト共重合は注連縄に似ている。単一モノマーで出来た長いポリマーの所々に違う種類のポリマーがぶら下がっている。共重合は、2種類以上のモノマーが化学的に結合して出来ているが、ポリマーアロイは異種の単独ポリマー同士を混合して製造する(アロイは合金のこと)。ポリマーアロイの例として耐衝撃性ポリスチレンがある。ポリスチレンは上記のように硬くて割れやすいが、少量のゴムを混合することにより割れにくい性質を持たすことができた。
歴史
1835年にクロロエチレン|塩化ビニルとポリ塩化ビニル粉末を発見したのが最初といわれる。初めて商業ベースに乗ったのは、1869年にアメリカで開発されたセルロイドである。これはニトロセルロースと樟脳を混ぜて作る熱可塑性樹脂だが、植物のセルロースを原料としているので半合成プラスチックと呼ばれることがある。本格的な合成樹脂第一号は、1909年にアメリカのレオ・ベークランドが工業化に成功したベークライト(商品名)といわれている。フェノールとホルムアルデヒドを原料とした熱硬化性樹脂で、一般にはフェノール樹脂と呼ばれている。その後、パルプ等のセルロースを原料としてレーヨンが、石炭と石灰石からできるカーバイドを原料にポリ塩化ビニルなどが工業化された。戦後、石油化学の発達により、主に石油を原料として多様な合成樹脂が作られるようになる。日本では、1960年代以降、日用品に多く採用されるようになる。1970年代には工業用部品として使用可能なエンジニアリングプラスチックが開発され、1980年代には更に高度なスーパーエンジニアリングプラスチックが使用されるようになった。これらの合成樹脂は金属に代わる新たな素材として注目されている。1970年頃までは「プラスチックス」という表記が見られた。これはアメリカでも同様で、"plastics" という「形容詞+s」で集合名詞としていたが、名詞であるという意識が高まり、"s" が抜け落ちた。その時期は日本より約10年早い。
合成樹脂の分類
熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂 (Thermosetting resin) は、加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる樹脂のこと。使用に際しては、流動性を有するレベルの比較的低分子の樹脂を所定の形状に整形し、その後加熱等により反応させて硬化させる。接着剤やパテでA液(基剤)とB液(硬化剤)を混ぜて使うタイプがあるが、これは熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂で、混合により重合反応が起こっている。熱硬化性樹脂は硬くて熱や溶剤に強いので、電気部品やテーブルといった家具の表面処理、灰皿、焼き付け塗料などに使用される。*フェノール樹脂 (PF)
など
熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂 (Thermoplastic resin) は、ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂のこと。一般的に、熱可塑性樹脂は切削・研削等の機械加工がしにくい事が多く、加温し流動化したところで金型に流し込み、冷し固化させて最終製品とする射出成形加工等が広く用いられている。熱可塑性樹脂を用途により分類すると、
汎用プラスチック
家庭用品や電気製品の外箱(ハウジング)、雨樋や窓のサッシなどの建築資材、フィルムやクッションなどの梱包資材等、比較的大量に使われる。*ポリエチレン (PE)
ポリエチレン|高密度ポリエチレン(HDPE)
ポリエチレン|中密度ポリエチレン(MDPE)
低密度ポリエチレン(LDPE)
ポリ塩化ビニリデン
など
エンジニアリング・プラスチック
家電製品に使われている歯車や軸受け、CDなどの記録倍体等、強度や壊れにくさを特に要求される部分に使用される。略してエンプラとも呼ばれる。*ポリアミド (PA)
ナイロン
など
スーパーエンジニアリングプラスチック
特殊な目的に使用され、エンプラよりもさらに高い熱変形温度と長期使用出来る特性を持つ。略してスーパーエンプラとも呼ばれる。
複合材料
合成樹脂に他種類の素材を併用したものを複合材料と呼ぶ。代表的なものにGFRPとCFRPがある。GFRPはガラス繊維強化プラスチック、CFRPは炭素繊維強化プラスチックの事。ガラス繊維は引っ張り強度がプラスチックよりはるかに強いので、成型部品の強度向上によく使用される。安価なプラスチック製ヘルメットは殆どがGFRPである。薄い色のヘルメットを透かして見ればガラス繊維が見える。炭素繊維の強度はガラス繊維より更に強いが高価なので、CFRPは軽くて強くて(高価な)素材として航空機等に使用されている。
合成樹脂の性能
ガラス転移点
荷重たわみ温度
曲げ弾性係数
アイゾット衝撃試験値
体積固有抵抗
誘電率、誘電正接
耐薬品性
主要用途
など、日常生活のありとあらゆる場面で使われている。
関連団体
関連項目
:en:Plastic recycling
:en:Recycling of PET Bottles
参考文献
外部リンク
0からわかるプラスチック
プラスチックとプラスチックリサイクル
日本プラスチック工業連盟
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